こんにちは、もここです。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、『コロナうつ』という言葉も生まれ、精神疾患の罹患率は増大傾向にあるそうです。
コロナ病棟に入院中の患者さんもうつ状態になる方が少なからずいて、
その原因として
- 隔離された環境での生活
- 呼吸困難による死への恐怖
- 先の見えない不安
- 家族に会えない寂しさ・不安
などが考えられます。
隔離された環境
コロナ病棟では、コロナ病棟外に出ることは禁止されていて、気分転換の散歩や院内のコンビニに買い物に行くことができません。
病棟内は自由に過ごしてもらっていいのですが、「限られたスペース」「殺風景な病棟」「娯楽なし」の環境のため、患者さんは基本病室で過ごされることが多いです。
息苦しさによる死の恐怖
コロナ中等症の患者さんは、症状として息切れ・呼吸困難を訴えられる方が多く、呼吸困難は不安や死の恐怖につながりやすいといわれています。
先の見えない不安
コロナに対する治療というのが確立されておらず、対処療法はおこなっていても、「高熱が続く」「倦怠感が続く」「食事が取れない」「息切れが改善しない」などの症状改善の兆しがみえずにいると、喪失感を感じてしまいます。
コロナ関連のニュースを見ても、現状では希望の持てる情報はあまりなく、余計にストレスとなってしまっているみたいです。
家族に会えない寂しさ・不安
同居家族のいる方は、「感染していないか」「感染していたら自分と同じ辛さを味わうのか」「生活はきちんとできているのか」など心配されていて、特に小さいお子さんがいる方や、ご高齢の方は、「早く家族に会いたい」とよく口にされています。
入院中の患者さんに対して、どのように対策を取ればいいのか明確な答えはないのですが、
心がけていることとして、
- コロナ関連の情報と距離を置くよう伝える
- 気分転換の方法を見つけてもらう
- できる範囲での運動を促す
- タッチング・傾聴
コロナ関連の情報と距離を置く
コロナ関連の情報は、テレビ・インターネット・SNSなど色んな媒体から簡単に入手できます。その反面、正確な情報だけではなく、誤った情報もあり、不安を招きやすい状況にあるといえます。
適度に距離をとり、過剰に反応しないよう注意を促しています。
気分転換の方法を見つけてもらう
入院中できることは限られてしまうのですが、テレビを見る、音楽を聴く、読書、大人の塗り絵、数独、ロジック、折り紙、絵を描くなどなど、患者さんにできそうなことを提案していってます。
適度な運動
呼吸器症状がある方は、動き回る運動はできませんが、ベッド上でずっと寝たままでいると『無気肺』といって、肺の中に空気が入らなくなる状態をつくってしまうので、ベッド上でうつ伏せになる時間を作り、無気肺を予防していくようにしています。
あとは、ベッド上でもできる運動方法を説明し、体調に合わせておこなってもらっています。
タッチング・傾聴
タッチングとは、患者さんの身体に手を当てたり、さすったりすることで不安を解消し、安心と安楽を与えるための非言語的コミュニケーションです。
呼吸困難がある患者さんに対して、タッチングをおこない、少しでも不安が軽減されるよう努めています。
傾聴とは、簡単にいえば「話をよく聴く」ことで、不安の解消や信頼関係を築くために効果的とされています。