こんにちは、もここです。
今日はコロナ病棟でお亡くなりになられた方の退院について書きたいと思います。
コロナ病棟での死亡退院について
- 状態の悪化
- 死亡確認
- 葬儀社へ連絡・死後の処置
- 非透過性納体袋(インナー)に収容・密閉
- 表面を消毒した後、非透過性納体袋(アウター)に収容・密閉、表面を消毒した後、棺にご遺体を納める
- 安置
- 火葬
患者さんの状態悪化
患者さんの状態が悪化し、これ以上治療を何もしない場合、ご家族の強い希望があれば、当院では、家族にPPE(個人防護具)を装着してもらい、面会してもらうことがあります。その際、面会人数は1〜2名、体調不良に問題のない方のみ、看護師が家族のPPE装着をおこなう、入室後は患者さんに絶対触れないなどを注意しておこなっています。
入室が無理な場合は、テレビ電話でお顔だけでもみていただけるように工夫をしています。
死亡確認
死亡確認後、本来なら医療従事者は部屋を一旦退室し、ご家族が患者さんと少しでも一緒に過ごすことができるよう時間を設けるのですが、コロナ病棟では感染予防のため、それをおこなっていません。
葬儀社へ連絡・死後の処置
臨終後、ご家族に希望する葬儀社があるか確認し、なければ病院から葬儀社へ連絡を入れます。その際、必ずコロナウイルスで亡くなったことを告げ、対応可能か確認をおこないます。葬儀社が決まれば、葬儀社と家族が直接電話でやりとりを行い、葬儀社が何時ごろ病院に来るのかを確認します。
その間、看護師は死後の処置をおこないます。死後の処置とは、体についている医療器具(酸素・点滴・心電図モニターなど)を取り外し、体をきれいに拭き、髪や髭を整え、顔にメイクをおこないます。コロナウイルスで亡くなられた患者さんの整容は、ほとんどの葬儀社でおこなっておらず、これがご遺体の最後の整容となります。
非透過性納体袋に収容・密閉
死後の処置が終われば、非透過性納体袋に看護師がご遺体を収容・密閉します。
非透過性とは液体が浸透しないという意味であり、色については透明でも支障はありません。2重になっていてまずはインナーの袋に収容・密閉し、表面を消毒後アウターの袋に看護師がご遺体を収容・密閉します。インナー袋は大きなジップロックといった感じでしょうか。
棺にご遺体を納める
非透過性納体袋(アウター)の表面を消毒し、看護師にて棺にご遺体を納ます。
ご家族がご遺体のお顔を見れるのは、この時が最後になります。お顔を見る際は納体袋越し(透明なためお顔は見れる)となりますが、その際も絶対に納体袋に触れないよう注意しています。
安置
病院や葬儀社、仮葬場と相談の上、火葬までの棺をどこに安置するか決め、安置します。
火葬
最小限の人数で出棺します。
一般的な死亡退院と違うところ
- 状態が悪化しても、なかなかスムーズに面会できない。面会できても人数制限がある、患者さんに触れることができない。
- 死亡確認後、ご遺体とご家族が一緒に過ごす時間がもてない。
- 葬儀社によってはコロナウイルスに対応していない場合がある。
- 死後の処置後、非透過性納体袋に納める→ここが一番辛いです。
- ご遺体を棺に納める直前が最後のご対面となる。